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読んで治す! 漢方百話

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2007年 2月


第39話  鼻 炎


 モンスーンシーズンに入って湿度が80%を超える日々が続いているシンガポールでは、鼻のトラブルで来られる患者さんが増えており、その大半が鼻炎です。

 鼻炎は、さまざまな原因によって、鼻の粘膜に炎症が起こっている状態なのですが、クーラーを含む寒冷などの刺激や鼻粘膜での感染、目や耳などの鼻周囲組織に病気がある場合、全身的原因としての感冒、糖尿病、肝疾患、外傷後遺症がある場合にもおこると言われています。

 主に、当診療所には急性鼻炎(「鼻かぜ」と呼ばれることもある)、慢性鼻炎(急性鼻炎を繰り返して慢性化したもの)、アレルギー性鼻炎(目やのどの痒みや頭痛など鼻以外の症状を伴うことが多い)の3つが多いのですが、その他に血管運動性鼻炎や蓄膿症、鼻中隔湾曲症(鼻を左右に分けている鼻中隔の湾曲がひどいことによる慢性鼻炎など)があります。

 鼻づまりは、精神神経症状もしばしば起こし、勉強や仕事に集中できないといった症状も現われる上、放っておくと、慢性副鼻腔炎、すなわち蓄膿症になる可能性が高くなるので、慢性化しないうちに治療をしておくことが大切です。

 初期の漢方治療では、鼻をはじめとする体表の血液の流れを良くする処方をします。次に、強烈な芳香成分を含む漢方薬により、うっ血している部位の血管を収縮させます。抗アレルギー作用も伴いますので早期に有効性がみられます。

 また、蓄膿症の膿汁を治すには、まず細菌の感染を完全に取り除かなければならないので、抗菌力と免疫力を増強する処方、さらに解毒作用の強い処方を加味していきます。

 何種類かの生薬をお湯の中に入れて、蒸気を嗅ぐようにしても鼻の通りがよくなることがあります。

 漢方薬による鼻炎治療は、自己免疫力を高める治療によって、急性・慢性を問わず、意外に短期間で症状が改善し治癒するケースが多くあります。