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シンガポール的健康生活

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2007年 2月

ポリープの巻


今日は、桂さんの定期健康診断の日です。腹部超音波検査の番になりました。 

超音波検査
 吉田医師が入ってきました。
「桂さんですね。これからお腹の超音波検査を始めます」健康診断の超音波検査では、肝臓、胆のう、左右の腎臓、脾臓、すい臓などを順番に見ていきます。「桂さん、胆のうに小さいポリープがあるみたいですね」「ええっ、今まで言われたことはありませんでした」「2mmぐらいの小さいものが1個だけありますよ」「がんですか? 友人が大腸のポリープを取ってもらったら、『がん』だったと言っていたんです」

ポリープ
 吉田医師が説明します。
「ポリープというのは表面から盛り上がってきている病変をさす言葉なので必ず『がん』というわけではありません。正常の粘膜細胞が多く作られすぎてできる過形成ポリープ、良性の腫瘍性ポリープ、悪性の腫瘍性ポリープなどにわけられます」「臓器によってできやすいポリープの種類が違っています。胆のうポリープでは、コレステロールが胆のうの粘膜に付着してできるコレステロールポリープが多いのですが、これは悪性ではありません。小さいものならば定期的な検査でみていけばいいですよ。ただし、大きさが1センチを超えるものは手術で摘出して組織検査をした方がいいでしょう」「じゃあ、今は手術する必要がないんですね」

桂さんは少し安心したようです。
「でも、お友達は『がん』だったって…」「大腸のポリープは腫瘍性のポリープが多いんです。ほとんどは良性なのですが、大きくなると悪性の可能性が高くなってきます。1cmのポリープの10%ぐらいが『がん』であると報告されています。この大きさのポリープであれば、大腸鏡でとることができるので、大きな心配はいりません」「じゃあ、胃のポリープはどうでしょう」「胃のポリープでよく見られるのは、胃底腺ポリープといって正常の粘膜細胞が盛り上がってできる過形成ポリープというものが多いですね」「いろいろな臓器でポリープが見つかることは多いのですが、ポリープの特徴を見極めて、適切な検査と治療すれば怖いものではありませんよ。必ずしもポリープ・イコール『がん』ではないので、不必要な心配をすることはないですよ」桂さんは安心して検査を終わりました。

まとめ
 ポリープはいろいろな臓器にできる表面が盛り上がった病変をさす言葉です。ポリープには正常なものから悪性までさまざまな種類があります。必ずしも悪性のものばかりではないので、不必要な心配はいりません。手術を必要としないものでも、定期的な検査をする必要があります。

山野さん一家はお父さん(キリオさん 38歳)、お母さん(カツラさん 35歳)、お兄ちゃん(クリオ君 6歳)、妹(アケビちゃん 3歳)の4人家族。
山野さんは今年からシンガポールで生活を始めました。
山野さん一家を取り巻く健康生活をラッフルズジャパニーズクリニックがわかりやすくご説明いたします。



執筆者 : 吉田 正(よしだ ただし)
Raffles Japanese Clinic

ラッフルズジャパニーズクリニック医師、医学博士。
筑波大学消化器内科所属。日本では消化器を中心とした内科全般を担当。
日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
ラッフルズジャパニーズクリニックにて
20066月より勤務。