まんだりん 面白話 |
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2006年 8月
第五十七話
中国のスターたち
前回に続き、今回は中国の有名な男優を3人ご紹介します。
(若い人の中では、香港俳優も人気がありますが、ここではあえて割愛して、本土の男優だけに絞ります)
1)Jiang Wen チアン・ウェン
ずば抜けた演技力で「中国の映画界実力派男優」No1の座に20年も座り続けてきた存在です。86年中国で大ヒット、日本でもロングランを記録した映画「芙蓉鎮」で、女優リュウ・シャオチンと主演した後、この大物俳優同士が恋に落ち、破綻していく話は中国の巷の大きな話題となりました。
近年、監督としてもその鬼才を発揮し、ヒット作を連発しています。彼が監督、主演した「鬼が来た」は日中戦争を描いた作品ですが、中国では上映禁止になり、映画活動も一時停止しました。この映画は海外で「魂がこもった」作品と評価され、カンヌ映画祭のグランプリを受賞をしています。
完璧主義者の彼は撮影に中国国内にあるすべての白黒フィルムを使ってしまい、急遽、アメリカのコダック社から空輸した話も有名です。
チアン・ウェンのサイトhttp://ent.sina.com.cn/s/m/f/jw.html
2)Ge you ガー・ユー
ガー・ユーの人気度は中国ではいつもチアン・ウェンに次いで二位につけていますが、私個人的には、彼を中国のトップ男優と評価したいです。俳優の父親と脚本家の母親を持つ彼は18才の時、北京郊外の農村に下放し、約5年間豚の飼育係をしていました。
親譲りの才能と豊かな社会経験によって、彼は「中国第一性格男優」として磨き上げられました。飄々とした演技、特徴のあるしゃべり方は時には滑稽で時には真剣で、見る人はだれでも魅了されてしまいます。中国国内では多くの映画賞を獲得しただけでなく、彼が主演する映画は国産映画の興行収入を毎年のように破ってきました。
主演映画「生きる」で93年のカンヌ映画祭の最優秀主演男優賞を得ています。
ガー・ユーのサイトhttp://ent.sina.com.cn/s/m/f/gey.html
3)Liu ye リュウ・イエ
20代の新人男優で、女優チャン・ツイーと中央戯劇学院の同級生。大学2年生の時、映画「那山、那人、那狗」(日本語は「山の郵便配達」)の主役を探していた監督がその「野生的な目」に見とれ、起用したのをきっかけに、いきなり大フィーバーしました。実はこの壮大な山景色をバックに、父子の感動物語を描いた映画は日本でもすごく高く評価され日本アカデミー賞を受賞、中国国内では最高映画賞(金鶏賞)を受賞したものの、映画館からの引き合いがなく、テレビで数回放映されただけでした。一昨年、リュウ・イエは香港アイドル女優スー・チーと共演した「美人草」で金鶏賞最優秀主演男優賞を受賞し、若い女性の中で多大な人気を博し、現在の中国映画界では輝かしいプリンス的な存在となりつつあります。
リュウ・イエのサイト http://ent.sina.com.cn/s/m/f/liuye.html
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。