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まんだりん 面白話

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2005年 11月

第四十八話
中国のゴールデンウィーク

今年の6月号で中国の黄金周、「ゴールデン・ウィーク」のことを書きましたが、今回は三大連休の一つ「国慶節」(10月1日、建国記念日)を紹介します。

 全国旅行協会の発表によると、各景勝地などを訪れた観光客数はのべ1・11億人を超え、去年同期より1割強の増加となりました。旅行収入(売上高)は463億元、旅行者一人当たりの平均消費(支出)は415元で、去年より16・6%増。旅行目的地の人気ランキングのベストテンは、上海、北京、杭州、深 、南京、蘇州、成都、青島、
西安、広州でした。

 商業部の統計では、連休の間、全国小売商品の売上高は2700億元で、去年より14・2%増加しました。国内消費に強く刺激したことを表しています。ブランド電気製品、輸入化粧品、高級時計、貴金属や宝石類の装飾品などの売れ行きが好調だったそうです。特に装飾品の売上高は同期より35%増で、液晶テレビやデジタル電気製品も3割増加となりました。
 旅行スタイルにも大きな変化が見られました。人々は交通機関の渋滞や混雑、ツアー団体の騒がしさを避けるために「自助遊」(フリー&イージー式の個人旅行)を選ぶようになりました。アンケート調査によれば、3割強の人は団体ツアーを希望しますが、6割強の人が「自助遊」を選んだそうです。いま、一番流行っているのは「農家楽」(ファームステイ)です。忙しい毎日に疲れた都会人は家族や友人と一緒に田舎の農家に滞在し、農作業を体験したり、郷土料理を味わったりして大自然を楽しみます。

 海外旅行も急速に一般市民の間に浸透しています。去年1年間の出国人数は前年度より43%増え、アジア第1の観光客輸出国となりました。世界観光協会ではあと10数年で、毎年のべ1億の中国人が海外へ出かけるようになると推測しています。10月連休では中国最大手の国際旅行社が半年以上の準備を経て中国33地方で7000人の客を集め、北京、上海などの6空港からいっぺんにタイへ送りこみました。

 問題点もいっぱい出ています。なかでも交通、観光のインフラストラクチャーの不足が一番のネックとなっています。急速に成長してきた需要に追いつかないためです。苦情が旅行社に集中し、サービスの質の改善が求められています。ちなみにこの連休の間に発生した、5人以上の死者を出す「大型事故」数は倍増で、77人死亡、122人重軽傷という最悪記録を更新しました。


中国語とマンダリン

 中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。

葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生

星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター


長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。


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