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まんだりん 面白話

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2005年 9月

第四十六話
ときめく中国?

今回は最近新聞雑誌などで見た中国、中国語関係の記事をまとめてみました。


● 共通大学入試試験
 中国の全国共通大学入学試験は毎年6月に行われます。ちょっと前までは7月だったのですが、夏の暑さに受験生が耐え難いということで1か月ほど繰り上げたのです。
今年の受験生は全国で昨年より144万人増の860万人でした。日本のセンター試験の受験者数が52万人に比べればまさにけた違いの数ですね。

● 子どもに  就かせたい職業
 上海市内在住の小中学生の保護者に対する調査によれば「子どもに就かせたい職業」の1位は「公務員」ということでした。
子どもの養育費が家庭の収入に占める割合は平均26パーセントでした。

● 大学の専攻科目
 上海の夕刊紙には「上海市の大学に開設された専攻科目ランキング」が発表されました。
1位は英語で、59か所の大学のうち25か所が英語専攻を開設しています。その次は「国際経済・貿易」(24大学)、「金融学」(21大学)、「コンピューター関連の科学と技術」(21大学)という順でした。

● 日本の知名度
 もう一つの調査結果。中国大学生の日本企業の知名度ビッグ3はソニー、トヨタと松下電器。好感度上位3社はソニー、資生堂と松下電気。それに続くのは本田とトヨタ。
一方、日本と聞いて連想するのは何かというと、1位は侵略・戦争、2位はソニーなど成功した企業、3位は富士山・桜でした。

● 上海国際映画祭
 6月に上海で開かれた第8回上海国際映画祭で日本の映画「村の写真集」(三原光尋監督)が最優秀作品賞に選ばれ、主演者の藤竜也氏が最優秀男優賞を受賞しました。


● 貧富の差
 中国のインターネットの利用者はついに1億人を突破しました。携帯電話の契約数は3億6千万件。
一方、農村部の絶対貧困人口(1人当たりの年間収入が688元(約九千円)未満)は2610万人を超え、低収入人口は約5000万人。
貧富の差が拡大されている状況が浮き彫りになりました。

● おまけ
 最後にシンガポールで一番よく聞く中国系の人の氏名「陳」には幾通りの発音があるかを知っていますか。
福建と潮州語では「タン」と言うが、広東語では「チャン」と発音します。海南人は濁り音で「ダン」と言い、客家語は日本語に一番近い「チン」で発音します。
標準語のマンダリンでは「ツン」のような音です。


中国語とマンダリン

 中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。

葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生

星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター


長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。


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