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まんだりん 面白話

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2005年 7月

第四十四話
文化の違い

日本と中国は隣国で「同文同種の国」とまで言われています。しかしそれは皮膚や髪の毛などの外見だけが似ているだけで、ことばも文化もずいぶん違います。


 最近、中国と日本の関係が小泉首相の靖国神社参拝問題などで急に冷え込んできました。私はこれらの政治問題についてはよく分かりませんが、いろいろな議論を見ているとたくさん勉強になることがありました。
 例えば死んだ人に対してどう見るか、あるいはどう取り扱うかについて、中国人と日本人ではずいぶん違うような感じがしました。

蓋棺論定
(gai guan lun ding) 
中国語には「蓋棺論定」(gai guan lun ding) ということばがあります。人の善悪賢愚は、その人の死後、初めて評価が出るという意味です。

 中国の杭州に民族英雄とされる岳飛の廟と売国奴とされる秦檜の銅像ならぬ鉄像があります。夫人と一緒にひざまずき、手を後ろで縛られている秦檜の鉄像には、多くの観光客が唾を吐きます。つまり「売国」という罪を犯した秦檜は死んだ後でもなお辱めを受けなければなりません。一方、日本人はどうも死者にも寛容な取り扱い方をしているようです。どんな人でも死んだら「みそぎ払い」をすれば、神社に祀ることができ、「神」になります。

 この慰霊方法の違いを考えている時に、ある報道記事を思い出しました。今年の清明節の墓参りに中国では「二◆人形」[二◆(er nai)は正妻以外の愛人の意味]を供えることが流行ったそうです。中国人の慰霊の形式の一つとして、亡くなった人の墓の前でこの人が好きな食べ物を供えたり、天国で使えそうなものを真似た紙人形を焼いたりします。最近までは「車」や「別荘」が多かったのですが、今年は死んだ男性の墓前にはきれいな「二◆人形」が立ち並んだそうです。

 昔から紙人形を焼く習慣はありましたが、それは召使いを意味するものでした。「なんで二◆を?」とインタビューを求められたある未亡人は「旦那が天国にいても寂しがらないように」と答えたそうです。一方、一部の地方政府は二◆人形を供えることについて、「これは社会道徳に反すること、迷信的なものだ」と決めつけ、違法販売や空気汚染などの理由で取り締まりに乗り出したそうです。

◆は女へんに乃蓋棺論定


中国語とマンダリン

 中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。

葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生

星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター


長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。


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