まんだりん 面白話 |
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2005年 6月
第四十三話
新語
ことばは生き物のようなもので、使われなくなった古いことばは死語になり、新しい物事を表すために新語が現れたりします。今月は中国語の新語をいくつかご紹介します。
黄金周(huang jin zhou)
「ゴールデン・ウィーク」のことです。もともとの意味は「休みが一番多い週」でしたが、いま中国では年に数回の大型連休を全部「黄金周」と呼んでいます。5月以外に、10月1日の「国慶節」と旧正月の「春節」前後が黄金周です。いままで、この黄金周によって旅行業や外食産業などに空前の活気がもたらされ、国内消費に強く刺激してきましたが、最近は経済成長の過熱を抑えるために、「黄金周制度改革」が議論されています。
自助餐(zi zhu can)
一昔前、ホテルなどのビュッフェの訳語として生まれたことば。西洋料理のイメージが強かったのですが、バイキング料理をやっているところは全部この「自助餐」を使うようになりました。いまでは日本料理屋をはじめ、大学の学生食堂までにも浸透しています。
「自助」は「セルフサービス」の意味で、最近「自助遊」という新語もよく見かけます。チケットと宿泊だけ旅行会社に手配してもらい、旅行先、日程などは全部自分で決める、いわゆる「free
& easy」式の旅行のことです。
鐘点工(zhong dian gong)
「時間を計算して働く人」という意味で、「計時工」とも言います。つまり、パートタイマーです。
改革開放前には中国は計画経済の制度を実施したため、働く人はほとんど全員「国営企業」の職員でした。ですので、時間単位で賃金を支払う雇用システムがありませんでした。今は経済の活性化を図るために、雇用体制がいろいろと変わって来ています。「鐘点工」は家事お手伝いから事務員、レストラン店員などにまで広まり、中年女性や大学生の間では特に人気です。大学や進学補習校の非常勤講師も時間制ですが、「兼職講師」と言います。
クイズ
最後にクイズを一つ。「電視購物」(dian shi gou wu )はなんの意味でしょうか。
答え:テレビショッピングです。まだそんなに一般的ではありませんが、テレビの普及と生活様式の変化によって生まれた新しい買物のスタイルです。
新しい物事を表現する時、日本語ではよく片仮名を使いますが、中国語は漢字しかないので、漢字の意味を利用して新しい単語を作ることがほとんどです。
お知らせ
6月25日14時からノボテルホテル(旧ホテルニューオータニ)にて、「中国語を楽しむ会」を行います。参加無料。
詳しくはp27のインフォメーションコーナーをご覧ください。
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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