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まんだりん 面白話

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2005年 2月

酉年のチャイナタウン 第三十九話

 今年の旧正月(春節)は2月9日。シンガポールの中国系住民にとっては一年中最大の慶事であり、盛大にお祝いをします。

 祝日の1カ月ほど前からチャイナタウンの至るところでは出店や市が立ち、大勢の買物客で身動きも取れないほど賑わいます。今年は酉年ですからちょうちんとニワトリをかたどった張りぼてでライトアップします。昔、中国伝説の中に言い伝えられた大鳥、鳳(雄)と凰(雌)も色鮮やかに飾られます。シンガポール理工学院の学生はこのビックイベントのために、ハイテク技術を生かし、「ミニロボットニワトリ家族」を作りました。リモコンによってニワトリが玉子を産んだり、はねを伸ばしたりして子どもたちを喜ばせます。
 黄金色は富を象徴することから、毎年と同様みかんやパイナップルタルトの売れ行きがいいのではないかと思います。新しい一年の幸運を約束してくれる花や植物などを買う人も大勢います。
 市の最終日は8日の大晦日。各露店の最終セールは翌日早朝3時まで続きます。買物客との値引き勝負が真剣そのもの。若い人たちはカウントダウンを楽しんだ後、歩行者天国の通りでダンスパフォーマンスを披露します。
 今年、イベント組織委員会はチャイナタウン広場に約5メートルの「福招き神」を祀り、毎日の夕方7時から1時間ごとに一回四つの「真字」(「toto」ような懸賞活動の中で好きな4個の数字を選び、当選数字と一致した数字)を撒き、ラッキードローを行います。
中国系の人にとっては旧正月に爆竹が欠かせないものです。昔から中国人は人間の安全を脅かす猛獣を爆竹の音で嚇かし退治できると思ってきました。シンガポール政府は去年、30数年ぶりに爆竹鳴らしを解禁し、チャイナタウン界隈に限って新年爆竹鳴らしを復活させました。今年は去年よりも大掛かりで露天駐車場や歩道橋などで直径2センチ、30メートルも繋いだ爆竹8本を、5分間鳴らしつづけ、悪運を駆除し、新しい希望をもたらしてくれることを祈念します。
 お正月料理の代表格は「魚生」(yu2 sheng1)というもので、小切れの魚のお刺身と千切りにした野菜を大皿に盛り付けた独特な料理です。食べる時、みんなが一緒に箸で「ヤムスン」(確認必要)と言いながら混ぜ、小皿にとって食べます。
 今年は酉年で、人気のチキン・ライスの売れ行きを心配する人もいるとか。


中国語とマンダリン

 中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。

葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生

星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター


長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。


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