まんだりん 面白話 |
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2004年 9月
「中国語検定試験の報告」 第三十四話
試験も勉強!
6月27日に日本の各都道府県の大学や北京、上海など中国主要都市の大学に設けられた試験会場で第53回日本中国語検定試験が行われました。今年は初めて当JSU校がシンガポールの代表会場に指定され、在星日本人はわざわざ帰国しなくても、日本の語学資格検定試験を受けられるようになりました。
受けた級別で言うと、ほとんどの受験者は初中級の準4級、4級と3級に集中していました。一番多かったのは3級で、合格率も一番高く、全体の平均合格率は62%でした(ちなみに日本や中国などでの受験者全員の平均合格率は46%でした)。平均よりかなりいい成績が取れた大きな要因は、中国語を公用語として日常的に使うシンガポールという環境だと思います。
合否の傾向ですが、一定の特徴が見られました。中国語検定試験は最下級の準4級を除いて各級ともヒヤリングと筆記の二部分からなっており、両方の合格点に達していなければ合格できないという制度を取っています。3級の受験結果を分析すると、ヒヤリングではほとんど全員が高得点だったのに対し、筆記で失敗した方が少なからずおられました。その中の数人はヒヤリングでは満点に近い点数が取れたにもかかわらず、筆記では1?2点及ばなかったため、残念な結果になってしまったのです。不合格者の半数以上はヒヤリングはよかったのですが、筆記では点数を落としたというケースでした。
受験生の感想ですが、多かったのは「試験も勉強の一つで、試験があるからまとめて復習したり、いままでの努力の結果を見たりすることができた」というものでした。また、経営者である受験者は「このような受験は成績のためではない。合否の結果を見せる上司もいないから気楽にやれた」とおっしゃいます。この試験は学習成果をチェックしたり、これからの勉強に目標をたてたりするいいチャンスになったのではないかと思います。
これからはシンガポールでも年に3回(3月、6月、11月)受けられます。中国語勉強中の方やこれから勉強予定の方は挑戦してみたらいかがでしょうか。
今年最後の「中検」は11月28日、申し込みはJSUまで。
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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