まんだりん 面白話 |
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2003年11月
講華語運動 第二四話
講華語 是福気 別失去
(jiang hua yu shi fin qi bie shi qui)
■ 講華語運動
キャンペーンがお好きなシンガポール。ただいま、毎年恒例の華語普及キャンペーンの真っ最中です。1979年から始まって今年で25年目です。当初のスローガンは「多講華語、少説方言」(方言をやめて、標準華語を話そう)でした。方言を話す人たちがそれぞれ分かれて固まり、意思疎通が難しかった。そこで政府は人種別に共通語を統一する政策を打ち出して国民の共通帰属意識を育てようとしました。
一方、この30年間、政府が英語第一主義の言語政策を実行してきたため、華人を含めた全国民が自分の民族語を話さなくなり、英語が「実質国語」になってきました。ある国際調査の結果によれば、シンガポールの5歳から14歳までの華人児童の家庭用語は36%が英語だったそうです。最新のデータでは、家でも英語を話す小学校一年生の比率が毎年2%ずつ増えているということです。その結果、最近では「学校での母語授業は英語で教えるべきか」という話題がマスコミや華人社会を騒がしています。
今年のキャンペーンのテーマは「華語を使う幸せを失いたくない」で、若い世代に「華語がしゃべれれば格好いい」ことを訴えています。キャンペーンの開幕式も若者に人気のパン屋と洋酒のバーで行われました。
華人団体は自分たちの母語と文化を守るために中国語を使わなくなった流れを食い止めようと必死です。しかし、目標が「母語で学習する」から「母語を学習する」に変わり、いまでは「せめて母語ぐらいは話せるように」と防戦一方なのが現実です。
ところが国外では、中国のめざましい経済発展によって、世界的な中国語ブームが巻き起こっています。英国のBBC放送によれば、イギリスの小学校にも中国語のクラスができたそうです。ロシアのブーチン大統領のお嬢さんは二人とも中国語を習っているということです。
「中国語を楽しむ会」 私たちJSU外国語学院の中国語コースは、この華語普及と中国語ブームの中で生まれ、おかげさまで大勢の在星日本人の方々が本場の中国標準語を学ぶために参加されています。 これに感謝するとともに、もっと皆さんに中国語に親しんでいただくため、11月22日に ホテルニューオータニで「中国語を楽しむ会」を開催します。 講師には中国から、北京言語文化大学中国語教授の方々をお招きし、主賓に槇田邦彦在シンガポール日本国大使のご出席を仰ぎます。槇田大使は中国語学習に関するスピーチを中国語でしてくださることになっています。在籍中の受講者の中国語による体験発表もございます。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。 |
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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