まんだりん 面白話 |
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2003年9月
HSK試験 第二二話
今回は中国語検定試験についてのお話をします。
HSKは「漢語水平考試」(Hanyu Shuiping Kaoshi)
各語の頭文字のH、SとKからなった略語で、中国の文部省に相当する教育部の管轄下の「国家漢語水平考試委員会」が実施する公的試験です。
受験対象者は、@中国語を外国語として学ぶ外国人、A海外在住の華人子弟、B中国国内の少数民族となっていますが、現実には@の外国人が受験者の大多数を占めています。中国で就職や長期留学する人には、この受験が義務付けられているからです。
だからHSKは英語の学力テスト「TOEFL」と同じような意味合いを持っているといえます。
HSKには受験者のレベルに合わせて「基礎(1〜3級)」、「初(3〜5)・中(6〜8)級」、「高(9〜11)級」と3種類があり、シンガポールではいずれも受けられます。
このテストは級別に作ってある試験を受けて合否の結果が出る形式の検定試験ではありません。ワンセットの試験問題の中に難易度が違う問題が混在していて、すべての受験者は同一の問題を解き、自分の中国語の学力がどこまでに達しているかをみます。この点も英語学力テストの「TOEFL」に似ています。
試験内容は「ヒヤリング」、「文法」、「読解・総合」の3分野です。
3級以上の成績を取った受験者には「HSK証書」が発行されます。この証書は企業に採用されたり、中国の大学・大学院に正規留学したりする際に必要な公的な学力証明となります(有効期限は受験日から2年間)。
現在シンガポールでは年に一度、5月にHSKの試験が受けられます。今年は5月17日でした。
JSU校では試験の前に無料指導と模擬試験を行い、学生の有志がチャレンジしました。幸いにも全員が合格し、目指した点数が取れました。受験した学生の話では「最初は試験の成績よりは実力のほうがもっと大事だと思ったが、試験を受けて中国語を学習するやりがいを実感し、新しい目標ができました。引き続きがんばって、来年もまた挑戦します。自分がどれほど進歩できるかを知りたいです」とのことでした。
今年の受験者のほとんどは、来年も受けてみると言っています。
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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