まんだりん 面白話 |
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2003年8月
中国のタバコ 第二一話
銘柄
最高級品は「熊猫牌【xiong2 mao1 pai2】」(パンダたばこ)。故 小平氏が好んだことで知られています。10月1日の国慶節(建国記念日)にあわせて限定発売するため、年に1回9月に生産します。まさに稀少動物パンダのように「国宝級」で、小さな灰皿とライター付きの2箱1セットが平均初任給に相当する900元(約1万3000円)もします。
健康香煙「中南海【zhong1 nan2 hai3】」。中国のタバコ会社と漢方医学院の科学者たちが6年の歳月をかけて共同開発した漢方配合タバコです。中国北西部のある村で、常用していても喉の調子が悪い人が非常に少ない手製タバコが発見されました。分析したところ、原料のタバコの葉は、新しい品種だとわかりました。
そこで専門家たちは、このタバコの葉に、天然ハーブや、甘草などをブレンドし「中南海」を仕上げました。
このほか高級品にはタバコの名産地、雲南の「紅塔山【hong2
ta3 shan1】」、「雲煙【yun2 yan1】」などがあります。庶民が愛煙しているのは一箱数元の「牡丹【mu1
tan1】」、「双喜【shuang1 xi3】」、「大前門【da4
qian2 men2】」、「飛馬【fei1ma3】」などです。
喫煙大国
中国へ行ったことがある方は、喫煙者と銘柄の多さや子供の喫煙にびっくりするのはもちろんのこと、ほかの国ではあまり見られない「強引な喫煙勧誘」に驚くでしょう。これは「敬煙【jing4
yan1】」といい、自分が吸う前に友人やお客さんにまず一本を手渡し勧めます。宴会では、離れた席の人同士(親しい間柄)が「敬煙」のためにタバコを投げ合います。そして吸わない人、あるいはしばらく吸うつもりのない人はその受け取ったタバコを耳の上に挟むのが、礼儀作法になっています。
自分が吸わない人でも、接待のために一箱を常時携帯しています。急成長を遂げた地域では男性は高価なタバコをステータス・シンボルにし、女性はファッションの小道具として使う傾向が強くなっています。
喫煙用語
2本=両支【liang3 zhi1】
2箱=両包【liang3 bao1】
2カートン=両条【liang3 tiao2】
ヘビースモーカー=煙鬼【yan1 gui3】
間接喫煙=二手煙【er4 shou3 yan1】
ライター=打火機【da3 huo3 ji1】
ニコチン=尼古丁【ni2 gu3 ding3】
タール=焦油【jiao1 you2】
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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