まんだりん 面白話 |
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2003年6月
中国の料理 第十九話
読者の方々から中華料理についてもっと知りたいというリクエストが数多く寄せられているそうです。そこで、今回は料理、次回はお酒についてです。
名菜加美酒
【ming 2 cai 4 jia 1mei 3 jiu 3】
■ 料理とお酒
広い中国には数え切れないほどの料理の流派があります。中国人はそれらを普通大きく四つに分けて、「四大名菜」と言います。
四大名菜
【si 4 da 4 ming 2 cai 4】
■ 四大料理
まず、四川菜【si4 chuan1 cai4】。
特徴は「辛くて痺れる」で、マーボー豆腐はその代表格です。
それと似ているのは「湘菜」(湖南料理)と「雲南菜」。「湘菜」はもっと辛く、雲南料理は山椒の痺れるからさ「麻」が特徴です。
次は北京菜【bei3 jing1 cai4】。
歴史上長く首都だったので、宮廷料理が広く民間にも行きわたっています。宮仕えの料理人には山東地方出身者が多く、山東料理が主体ですが満州族の料理なども取り入れています。ちょっと脂っこく、醤油がよく使われます。代表作は北京ダックです。
それから上海菜【shang4 hai3 cai4】。
本幇菜【ben3 bang1 cai4】とも言います。海、川、湖の水産物に恵まれ、甘辛さが特徴です。北京料理と正反対で、醤油はあまり使いません。上海生まれの私は子供の時、醤油瓶がいつも乾いているのが不思議でした。上海蟹、青淑肉糸【qing1
jiao1 rou4 si1】、ショーロンポーが代表作です。
最後に広東菜【guang3 dong1 cai4】。
粤菜【yue4 cai4】とも言います。広東は亜熱帯にあるので、新鮮な山海の食材に恵まれ、素材の持ち味を生かした料理が主体です。中華料理の中では最もあっさりしていて、半生半熟で柔らかく調理されたシーフードなどが有名です。代表的な料理は魚の姿蒸し、鴨のローストなどです。
シンガポールの中華料理はなんの流派? |
大ざっぱに言うと、広東料理に属していますが、海南、福建、潮州料理も混じっています。福建の人で潮州人に嫁いだ友人がいますが、旦那さんとスープの作り方でよくもめるそうです。「潮州人のスープは水のようだ」という夫の文句に対して、奥さんは、「福建のスープはどろどろで何が入っているか、さっぱり分らない」と対抗します。つまり、どろどろしているのが「福建」風で、あっさりしているのは「潮州」風です。 |
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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