まんだりん 面白話 |
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2002年10月
ボディー・ランゲージ 第十一話
中国人と日本人は同じ東洋人だからボディー・ランゲージには共通したものも見られますが、中には全く違うものもあります。
今回はボディー・ランゲージに見られる日中間の違いについて話しましょう。
数を指で表す時、日本人は両手を使いますが、中国人は片手で事足ります。
一番違うのは6以上の数です。6は親指と小指を立て真ん中の3本は曲げます。
その形を逆さにしてみると漢字の「六」に似ています。親指と小指はそれぞれ左右の点で、腕のところは上の部分になります。
同様に8も親指と人指し指を立てピストルを持っているような構えにし、その形を逆さにしてみると立派な漢字の「八」になります。
さすが漢字の国の発想ですね。
ところが、9は事情が一変します。日本人はこのゼスチュアを見たら、泥棒かスリと思うでしょう。 漢字ではなくてアラビア数字の9を真似たものだと思います。
10はいくつかの表し方があります。一番多く使われるのはこぶしを握った形です。
こぶしは石の形をしています。「十」と「石」の発音は同じ(shi・2)ですので、発音を連想してできたシグナルです。
指は数字だけではなく他にも意味があります。 親指を立てると、日本では「主人」「親父」や「親方」の意味ですが、中国では「大したものだ」、「一番」や「すごい」という意味で相手を誉める時に使います。
一方、小指を出すと日本では愛人などを意味し、色っぽいことを連想しがちですが、中国では「無能」、「勇気がない」や「最低」などといった、人を見下す意味になります。
最後に、子供の遊びのひとつ「じゃんけん」は、日中間で共通点が多いようです。
日本では片手で「石」(ぐう)、「はさみ」(ちょき)、「紙」(ぱあ)を出し合って勝負を決めます。中国では指の形はまったく同じですが、表すのは「石頭(shi・2、tou・2)」、「剪刀(jian・3、dao・1)」、「布(bu・4)」です。
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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