まんだりん 面白話 |
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2002年7月
マンダリン 第八話
北京の変化
シンガポールに十年以上も住んでいる北京出身の友人が一時帰国した後、感無量の面持ちで北京と中国の変化を深夜まで聞かせてくれました。
ヤンダーゴン 洋打工 (外国人欧米人が中国へ働きに来ること)。
ちょっと前までは中国で仕事をする外国人は、中国政府から招聘された特殊技能をもつ「専門家」あるいは外資系企業の経営者ばかりでした。ところが最近では欧米人も含めた多くの外国人が会社の派遣や個人で中国へ働きに来ています。
北京市内で働いている外国人だけでも約2万人。国別に見ると、日本、米国、韓国、ドイツ、シンガポールなどが多く、90数国からの「洋打工さん」が、行政管理、営業、会計及びコックや教師として働いています。統計によると、中国全土では現在6万を超える「洋打工さん」が北京、上海、広州など大都会に集中し、中国のホワイトカラーの就職に影響を与え始めています。
ツーレー 車熱 (マイカーブーム)
6月6日から13日まで行われた「2002年北京国際モーター・ショー」では一般展示の初日に5万人余りの見物客が殺到しました。
展示された翌日、二人の中国人が四台のArnageLimousineとLaoselaisを購入したことがビックニュースとなりました。世界の大手自動車各社はわれ先にと、中国の自動車会社と合資合弁をし、巨大市場への進出にしのぎを削っています。
GM社は上海自動車と提携して「中国国民車の開発と製造」に取り組み、日産は2004年度に100万台を増産し、その3分の1は中国で販売することなどそれぞれ発表しました。
中国政府の研究機関は、現在、車の個人購入者の比率がすでに50%を超え、マイカー時代は予想より早く中国に来ていると断言し、これから数年の間に自動車の販売台数は年間平均約16%増加し、「マイカー購入率急上昇期」に突入するだろうと予測して
います。
購屋熱(マイホームブーム) ウーレー
北京のあっちこっちで新築マンションの展示即売会があり、時には入場券を入手するために徹夜で列に並ばなければなりません。
住宅の品質も先進国並みになりつつあり、内装はもちろん、据え付けの施設も輸入した最新のものが目立ちます。
例えば、コンピューター制御によって、設定どおりに髪の毛、首、背中など全身に水をかけることができるシャワーボックスもあります。
商業用地の価格も次々と記録を更新し、最近北京の中関村科学貿易センターではビル内の売り場を平均一平米2万1600S$相当の価格で完売し、中国最高の不動産価格を記録しました。
以上の文章の中に何回も「○○熱」という言葉が出たことに気付かれたでしょうか。
その意味はもうお分かりでしょう。これは「○○ブーム」という意味です。そのほかに「足球熱」、「漢語熱」、「出国熱」、「留学熱」などがあります。
中国語とマンダリン
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。
そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。
したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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