まんだりん 面白話 |
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2002年4月
マンダリン 第五話
● 「漢潮」韓国の中国語ブーム
今年文部省の大学入試センター試験の外国語教科では中国語の受験者が去年の22%増に続いて33%も増え、2年連続の大幅な増加となったことと、新たに韓国語が外国語教科として加わったことが大きな話題となりました。
一方、韓国でも去年年末に行われた大学入試に初めて中国語が外国語教科の一つとして導入されました。この数年、中国との経済活動が例に見ない活発さを増しているのを背景に、中国語学習が東アジアのいたるところで盛んになりました。
今回は韓国の中国語ブームの現状をご紹介しましょう。
韓国の大学入試の結果によれば外国語大学中国語学科の志望者と合格者の比率は40対1という競争率でした。多くの大学ではこのような現状に対応するために今まで第2外国語だった日本語やフランス語を中国語に切り替え、中国語学科を設置した大学は二百数十校を数えました。
各地の高校にも中国語コースが雨後の竹の子の如くたくさんできました。つい最近、中国の大学四十五校が韓国へ赴き、中国留学の説明会を盛大的に行いました。統計によると、2000年に中国へ留学に行った韓国人は16,700人。はじめて日本人留学生を上回り、留学生数のトップを占めています。
韓国人は子供の教育に熱心で、自分の子供が正確な外国語を話せるように、子供の口腔や舌の手術までさせてしまう親もいるほどです。近頃、「先見の明がある」親たちは入学優先権を獲得するために家の引越しをしてまでも、競って幼い子供を韓国の華僑小学校に入れようとしています。
名門大学の卒業生さえも就職難の中、大手情報誌や新聞などの求人広告をみると、「中国語が分かる人を求む」が目を引きます。サムソン、SK社、LG社、ヒョンダイなど大手企業は急いで社外から中国語ができる人材を募ると同時に、会社内では中国語講座を開いたりして中国とビジネスを推進できる人材の育成にいっしょうけんめいです。
中国語とマンダリン |
中国は国土が960万平方キロ、日本の約26倍の広さで、ヨーロッパがすっぽり入る面積です。したがって、地方ごとに「方言」があり、その発音はまったく違います。ヨーロッパでドイツ語とイタリア語が違うように、たとえば北京の人と上海の人とでは、通訳がないと会話が成り立ちません。 そこで、コミュニケーション用の共通語が必要になります。こうして定められた言葉が「マンダリン」です。大陸では「普通語」といい、「普」遍的に「通」用するという意味です。 したがって、「マンダリン」あるいは「普通語」は、中国人および華人の共通言語で、外国人からは「標準中国語」と呼ばれています。 |
葛珠慧(ガー・チュイフィー)先生
星日外国語学院院長、シンガポール大学(NUS)・南洋理工大学(NTU)日本語非常勤講師。元CCTV(中国国家テレビ局)国際部キャスター
長年シンガポール大学の日本語講師を務められている葛先生は、上海のご出身(現在はシンガポール国籍を取得されています)。ご主人ともども日本留学経験のある親日家です。
超大国アメリカが同時多発テロに見舞われ、ほとんどの国が経済不況に陥っているなか、中国だけが8年連続でGNPを8%以上増加させ、APECの上海開催、WTO加盟、2008年の北京オリンピックなど元気ぶりが目立ちます。
駐在されている方々も、中国への出張や転勤が増えています。また、長年滞在していても、マンダリンができないために不自由を感じておられる方が大勢おられます。この連載を通じて、ぜひマンダリンに親しんでください。
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