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Happy Childbirth
ハッピーチャイルドバース


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2007年2月

第7回

妊娠中の採血

妊娠中の採血は、妊娠期、分娩期、分娩後に母子に対して影響を及ぼす母体の異常を早期に知り、影響を最小限にするために行うものです。必ず行う検査は次です。

●貧血のチェック
妊娠中は貧血になりやすく、ヘモグロビン
11g/dl未満は、鉄剤や食事で改善する必要があります。異常に低い場合は、詳しい検査や治療が必要となります。
●血液型
分娩時に大量出血が生じ、輸血の必要があるときに、迅速に行えるよう準備するためです。また母体が
Rh()で赤ちゃんがRh(+)の場合、母体の持ってる抗体によって、赤ちゃんの赤血球が破壊されて重症の貧血や黄疸になる場合があり、免疫グロブリンの注射を必要とします。
●B型肝炎
陽性の場合、産後の母子感染を防ぐため、B型肝炎ワクチンや、免疫剤の使用が検討されます。ここシンガポールは日本と違う感染症地域なので、B型肝炎やA型肝炎にかかる率も多く、予防接種が勧められています。妊娠中でも安全なワクチンもあるので、抗体のない人はぜひ予防接種を受けましょう。

●梅毒の検査
先天性梅毒を予防するため、妊娠16週までに治療が必要となります。
●エイズの検査
陽性の場合、妊娠の継続、分娩方式、子供への感染、母乳育児の有無を検討する必要があります。

●風疹抗体価
抗体価が高ければ、すでに免疫を持っていることになりますが、低い場合には、風疹にかからないように注意し、次回妊娠前に予防接種を受けましょう。妊娠初期に風疹にかかると、先天性の白内障や難聴などが生じる可能性があります。


そのほかには、各施設によって行う検査項目が違いますが次もあります。

●クラミジア
クラミジア感染があると、流産や早産の原因になったり、産道感染によって、赤ちゃんが結膜炎、肺炎などにかかる可能性があります。クラミジアは、パートナーの同時治療も必要です。

●トキソプラズマ
妊娠中にトキソプラズマに感染すると、先天性の水頭症、頭蓋内石灰化、脈絡膜網膜炎などの奇形を引き起こす可能性があります。

ATL(成人T細胞白血病)
陽性の場合、母子感染のおもな原因が母乳育児によるもので、対策が必要となります。子供が感染すると、
40歳以降に白血病になるリスクが高くなります。
OGTT(糖負荷試験)
尿糖が続いたり、糖尿病や、高度の肥満、巨大児(
4000g以上)分娩の既往がある方を対象に、血液検査と尿検査で調べます。
トリプルマーカーテスト
ダウン症、二分脊椎症、
18トリソミーの可能性を調べます。陽性の場合、羊水穿刺を勧められることがあります。


ちあき  日本人女性保健士。日本で産婦人科病院に長年勤務後、シンガポールへ。2児の母。